「自分の取扱説明書」を手に入れる!心を整えるセルフモニタリング実践ガイド

セルフケア

セルフモニタリングで心を整える:私が実践した具体的な方法と効果

今回は私が実践して治療に大きな効果があったと思っている「セルフモニタリング」についてお話したいと思います。

はじめに:気分モニタリングとの出会いと、なぜ始めたのか

私がセルフモニタリングと出会ったのは、休職中に通うことになったリワークプログラムの中での課題としてでした。 リワークに通った約半年間、毎日記録をつけることになりました。

気分モニタリングの具体的な方法:私のやり方を詳しく紹介

具体的にどんなものだったかと言うと、A4の用紙に一週間分の時間ごとの行動とそのときの気分を記録するものです。イメージとしては、手帳の週間・バーチカルのような感じ(下図イメージ)です。横軸に曜日、縦軸に時間が24時間分設定されており、マスごとに手書きで記入していきます(フォーマットはブランクのものが用意されていました)。

また、一週間分の記入が終わったときに、ポジティブな気分とネガティブな気分のマスを色分けしてマーカーなどで囲います。そして最後にこの一週間の振り返りのコメントを書いて心理士さんに提出する、という流れでした。翌週には心理士さんからのフィードバックコメントとともに返却されます。

はじめのうちは、記録をし忘れてしまって数日分をまとめて書いたり、ちょっと面倒だな、と思うこともありましたが、慣れてくると習慣になっていきました。

わたしの場合は、リワークに行ってプログラムが始まる前や自習時間にその日の半日分を記入して、寝る前にそのあとの半日分の記録をつける、というようなリズムになっていました。手書きである点についても、普段なにかを書いたりすることがないので、静かにほっとするというか、気分が落ち着く時間として心地よいものになっていきました。

気分モニタリングを続けて見えてきたこと・気づき

あいまいな感情や気分をアウトプットしてもいいんだという発見。

仕事をしているときは、個人的な感情や気分というのは外に出すべきではない、と無意識に思っていました。またあいまいな表現についても仕事の場面では良くないものだという認識がありました。

ですが、このセルフモニタリングをするにあたって、リワークでのグループワークで、気分を表す表現をなるべくたくさんみんなで挙げてみるというワークがあり、「イライラ」「モヤモヤ」「焦り」「不安」「楽しい」「わくわく」などいろんな単語が出てきました。このワークの結果、ネガティブなワードのほうがたくさん挙がったのにも驚いたし、こんなにたくさん表現方法があるのか、とおもしろく感じました。ここで出てきた気分を表すワードを参考にしながら、モニタリングシートの気分も書いていました。

それまでは「モヤモヤ」などといった表現は仕事では使うのは不適切だという気持ちから、日常生活でもあいまいでなくきちんと言語化すべき、という思い込みがあったように思います。でも、モニタリングシート上では、モヤモヤとか不安、など書き放題でした。それはわたしにとっては、今までロックされていた部分が外されて、あいまいでもアウトプットしていいんだ、これを受け入れてくれる人がいるんだ、と思えたのは大きな発見であり、救われる思いでした。モニタリングシート以外でもリワークメンバーとのやりとりや心理士さんとの面談でも、自分の思いをがんばって整理したり論理的に説明しなくても、それを聞いてくれる人がいる、というのは本当にありがたいと思えました。

具体的に分かった!気分の波を小さくする解決策

わたしの場合は、おなかの調子が不安定だと気分もネガティブになりやすかったり、また睡眠時間が短いとおなかの調子が悪くなりやすかったりすることがわかってきました。気分の落ち込みは精神的・心理的な要因だと思い込んでいたけれど、実際には、意外にも体調が大きく影響していることがわかり、案外わかりやすい理由だったんだな、とカラッとした気持ちになったのを覚えています。

逆に、散歩をしているとき、カフェで休憩しながら読書するとき、リワークでCBT(認知行動療法)の講義がある日などは、落ち着き、安心感といったポジティブな気分になる傾向があることがわかってきました。

そうなると、気分の波を小さくするためには、以下のような解決策が有効であることがわかりました。

  • おなかの調子を整えるために整腸剤を取り入れる
  • 睡眠不足にならないよう夜寝る前の過ごし方を工夫し早く寝られるようにする
  • 散歩をする
  • カフェでゆったり過ごす

このように、とても明快且つ、行動にうつすまでのハードルも比較的低い解決策を持つことができると、安心感にもつながります。こうなったらこうしよう、という対応策を常に持っておけるということです。 これはいわゆるコーピングというもので、自分にフィットしたコーピングが持っていれば持っているほど、セルフケアがしやすくなります。

これから始める人へのアドバイス・注意点

初めてセルフモニタリングをやってみようという方には、いくつか方法があります。

  • 手書きのセルフモニタリングシートを使う
  • エクセルなどの入力式のセルフモニタリングシートを使う
  • セルフモニタリングアプリを使う
  • ストレスマネジメント機能のあるスマートウォッチを使う

スマートウォッチを買う方法以外の選択肢については基本お金がかからずにできるので、まずはここから始めるのがおすすめだと思います。

手書きやエクセルのモニタリングシートを使うメリットとしては、ぱっと一目で一週間分の振り返りができて視覚的にわかりやすい点だと思います。 アプリは気軽に試せるのがメリットだと思います。検索してみるといくつか出てきましたので、興味がある方は探してみてください。

一週間の振り返りコメントをまとめるのも大切です。 一言、二言で良いので、来週は〇時に寝よう。とか、こういう気分の時間帯が多かった。などなんでも良いので気づいたことをメモしておくだけでだいじょうぶです。

もし自分のコメントに対してのフィードバックが欲しい場合は、信頼できる知人に気軽に聞いてみるといいかもしれません。または、これは賛否あるかもしれませんが、ChatGPTなどを利用してもよいかもしれません。その場合、AIに前提条件として、「あなたはわたしを担当する心理士です。日常生活の困りごとについて親身になっていっしょに解決しようとする存在です。」などのようにまず役割(ロール)を与えてから、コメントに対してのフィードバックをして、とリクエストすると良いのではないかなと思います。

わたしの場合は、休職してからリワークに通い始め、復職するまで手書きのセルフモニタリングシートを使っていましたが、復職してからのセルフモニタリングは違う方法で継続していました。その方法とは、スマートウォッチを利用することでセルフモニタリングをする方法です。

私が使用していたスマートウォッチ

Fitbit Sense 2

▼特徴▼

  • ストレスマネジメントに対応した健康管理スマートウォッチ。終日の身体反応計測でストレスのパターンを把握、スマート通知が感情の振り返りを促す。
  • 睡眠プロフィールが毎月の睡眠データを分析、10項目の主要な睡眠指標に基づいて、眠りの改善すべき点をピンポイントで教えてくれる。
  • 健康指標ダッシュボードで心拍変動、推定睡眠時皮膚温変動、血中酸素ウェルネスなどをチェックできる。Suica対応で、タップするだけで支払いが可能。

(参照元:Googleストア ウェブサイト)

アプリと連携して、その日のうちのストレスを感じていた時間帯やその日のエネルギー指標を確認できたりするので、紙に記録する替わりにこのスマートウォッチとアプリでモニタリングすることを続けていました。

※有料版アプリが最初6か月間無料になるので使っていましたが、マインドフルネスのプログラムや計測機能などが充実していたため、有料期間になってからも継続利用していました。無料で6か月間お試しできるのはいいですね。わたしは睡眠導入のプログラムを利用していました。このプログラムが始まると睡眠モードに入る感じがして心地よかったです。

セルフモニタリングが気になった方はまずは簡単でお金のかからない方法から試してみてください。

このセルフモニタリングが、あなたの心の回復への一歩となればうれしいです。

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