リワークで学んだのは「スキル」だけじゃなかった
リワークではCBTを通してストレス対処のスキルをいろいろと学ぶ機会をもらいましたが、
具体的なスキルだけではなく、あり方についても学びました。
そのなかで、わたしが復職した今でも日々大切にできているものは、
「なんでも実験だと思ってやってみる」というスタンスです。
今回は、
わたしが「実験だと思ってやっている」という考え方によって
どう変わることができたか、について体験談をシェアしたいと思います。
CBTワークは想像以上にエネルギーを使う
実験だと思ってやってみると言っても、
もちろんやりたくないことや嫌なことまで無理にやる、という意味ではありません。
リワークでは、CBTの講義で学びながら実践的なスキルを身に着けるために、
毎週たくさんのワークに取り組みました。
このブログでも以前触れたことのある、
「認知のクセに気づくワーク」や「アサーションのワーク」、
それ以外にも,
「自動思考を検討するワーク」や「アセスメントシート」など、
多くのワークをリワークメンバーとともに励まし合いながら取り組みました。
関連記事はこちら👇
🔗【記入例つき】認知のクセを整えるワークシート|感情に振り回されない練習法
🔗アサーションで言いたいことが言えない私が変われた|リワークで学んだDESC法ワーク実例
疲れたら休む──心理士さんからのアドバイス
リワークに通い始めてしばらくは、このワークを一回やるだけでどっと疲れが出て、
その日の夜は反すうが止まらなくなったりすることもありました。
心理士さんとの面談でそのことを伝えると、
「最初はとても疲れますよね。そういう日はおうちに帰ったらゆっくり休んでくださいね」
といつも声をかけてもらいました。
疲れたときは休む――当たり前のことかもしれませんが、
そう言ってもらったことで意識的に休む習慣ができ、
「あ、わたしは疲れてるんだ。じゃあゆっくり過ごそう」と自然に思えるようになりました。
こうした積み重ねによって、
リワークに通い始めた当初のようにぐったり疲れてしまうことも減っていきました。
感情を客観視するための“実験マインド”
とは言え、自分のストレス状況や自動思考について再検討する、
という作業は簡単ではありませんでした。
そのときのゆるぎない気持ちや感情を「こういう見方をしてみましょう」と言われても、
受け入れられないのが普通です。調子が悪い時はなおさらです。
そんな葛藤を中で役立ったのが、この「実験だと思ってやってみる」というスタンスです。
研究や実験というのは多くの失敗の中で大きな発見やヒントが生まれると聞きます。
逆に実験をしなければわからないことが多いということも言えるかもしれません。
「実験」という魔法の言葉は、
わたしの過去のストレス状況や感情を自分から切り離してくれるように思えました。
失敗してもノーリスク、しっくりこなくてもそれはそれ。
逆に試行回数が多いほど、自分に合う方法や考え方が見つかります。
実験を続けるうちに見えた変化
実験のつもりでワークを重ねるうちに、
気づけば、過去の自分のストレス状況を”ネタ探し”のように、探せるようになりました。
しっくりくるワークや考え方が見つかると、
「じゃあこの状況を当てはめたらどうだろう?」
と実験してみたくなる自分がいました。
わたしの場合、特に効果が高かったのは、
「自動思考の検討」と「対人関係療法」でした。
この二つは今でも脳内ワークを続けられています。
「対人関係療法」の過去記事はこちら👇
🔗中間管理職が職場のストレスを減らすために実践した「人間関係に強弱をつける」方法
実例:自動思考から適応思考へ
例えば、こんな考えが浮かんだとします。

今の会社には気の合う人がいなくてつらい。こんな会社もういやだ!
これに対して以下のような脳内会議が進みます。
「本当に気の合う人が一人もいないのか?」(👈自動思考の検討)
→ いや、〇〇さんや◇◇さんとはランチに行くこともあるし、何人か話す人たちはみんな親切だなあ。
→ べつに会社に気の合う人がいなくても家族や友人と過ごす時間もあるからそっちをもっと大切にして楽しく過ごすこともできるなあ。(👈対人関係療法を取り入れる)
「この会社は嫌だと信じ続けるとどうなりそうか?」(👈自動思考の検討)
→ 感情だけが先走って何が本当にいやなのか見失いそう。
→ 会社がいやなら転職すればいいけど、転職したからと言ってよくなるとは限らない。業務も楽だしまあいいか。
こんな感じで、ぱっと浮かんできた思考に対して、
自動的にそれに続いて適応思考(※)もセットで考える癖がつきました。
一回冷静になって「ほんとうにそうかな?」と自問自答する感じです。
※適応思考とは、自動思考(特定の状況で自動的に浮かんでくる考え)に代わる、より柔軟で現実的な考え方のこと。
この過程を経ると、大体の場合、
「なんか急に感情的になっちゃってたなわたし。なんだか恥ずかしい。笑」
という気持ちになることが多いです。
まとめ:小さな“実験”から始めてみよう

リワークでの講義やワークを通して、ストレス対処のカギは「客観視」だと気づきました。
と同時に、これがいちばん難しいことも知りましたが、訓練してできるようになりました。
そして“実験マインド”は、その客観視を気楽に続けるための土台になってくれました。
最終的には、「復職」自体もある種、実験のような気持ちで受け入れることができました。
実際に、復職後も”実験マインド”を続けることで、
ストレスとうまく付き合いながら過ごすことができています。
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