はじめに:認知のクセに気づくワークとは?
前回の記事では、自分の思考パターンに気づく「認知のクセ」について紹介しました。
たとえば、何かがうまくいかなかったときに、

やっぱり私には無理なんだ

また同じことを繰り返すに違いない
そんな考えがふと浮かび、ネガティブな気持ちが頭の中でぐるぐると巡ってしまうことはありませんか?
実はこうした“自動思考”が浮かぶのは、ごく自然な心の働き。無理に止めようとする必要はありません。
ただ、こうしたネガティブな思考が長く続くと、現実を歪めて捉えてしまったり、気分や行動に悪影響が出てしまうこともあります。
(ネガティブな思考が継続してぐるぐるする状態を「反すう」と言います)
私自身も、休職中にリワークで行ったワークを通して、

この考え方、少し極端かもしれない…
と、自分の思考のクセに気づき、それをより健康的な認知(=適応思考)へ整える練習を重ねてきました。
今回はその実践編として、
- 自動思考をどのように捉えるか
- 認知のクセが出ているかどう見極めるか
- 柔軟で現実的な視点に切り替える方法
について、実体験を交えながらお伝えします。
「最近、気持ちの浮き沈みがしんどい…」
「いつも同じことで悩んでしまう…」
そんな方にこそ、今回のワークがヒントになるかもしれません。
自分の認知のクセとは?オリジナルワークシートの紹介(画像付き)
今回のブログでは、認知のクセに気づくためのオリジナルワークシートを作成しました。
書きやすさ・使いやすさを重視し、シンプルな構成で頭の中を整理できるよう工夫しています。
「モヤモヤする」「つい自分を責めてしまう…」
そんなときに、自分の考えや感情の流れを見える化できる、“思考の棚卸し”ツールとして活用してみてください。
🧩 ワークシートの構成
- ストレス状況(いつ・どこで・何が起きた?)
- 認知・気分・身体反応を分けて整理
- 認知のクセ(代表的なパターンから当てはまりそうなものをチェック)
- 気づきや「別の捉え方」を最後に書き出します
👇 実際のワークシートはこちら

✍ ワークの流れ:4ステップでOK!
ステップ① ストレス状況を書く
まずは、「最近イヤだったこと」や「モヤモヤした場面」を振り返ってみましょう。
例:「部下に長時間話しかけられて疲れた」「上司に注意されて落ち込んだ」など。
ステップ② 自動思考を書く(セリフ形式でOK)
そのときに頭に浮かんだ考えを“つぶやき”のように書いてみます。
例:「またダメだった…」「やっぱり私って使えない…」
ステップ③ 認知のクセをチェック
右の「代表的な認知のクセ」一覧を見て、当てはまりそうなものを選びます。
例:「白黒思考」「べき思考」「結論への飛躍」など。
ステップ④ 気づいたことを書く
「ちょっと極端に捉えていたかも」「あの人も疲れていただけかもしれない」など、
より柔らかな視点や適応思考に触れていくことが大切です。
💡このワークのポイント
うまく書こうとしすぎないことが大切です!
思いついたまま、感じたことを書くだけでOKです。練習ですので、正解・不正解はありません。
また、「気づき」として無理にポジティブなことを書く必要はなく、なるべく事実を客観的に捉えることのほうが大切です。
認知のクセを調べる!ワークシート記入例の紹介
今回は、実際に私がリワーク中に取り組んだシートの記入例を紹介します。
1つの場面(ストレス状況)について、2つの自動思考をキャッチして書いてみました。
👇記入例
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📝 自動思考(認知)①
認知:「自分は上司だから、部下の不満を受け止めなきゃいけない」
👉 べき思考・白黒思考

“上司なんだから〜すべき”と自分にプレッシャーをかけすぎてたのかもしれない
📝 自動思考(認知)②
認知:「私の仕事って、なんなんだろう」
👉結論への飛躍

一時的にうまくいかなかっただけで、日ごろ感謝されたり達成感を得ている場面もあったはず
思考を書き出すことで、思い込みや極端な認知のクセに気づきやすくなります。
また、気分や身体反応も併せて整理することで、ストレスの影響を客観的に捉えることができます。
日常に取り入れるコツ:自動思考をキャッチする
私自身は、夜寝る前に1日を振り返ってこのワークに取り組むのが習慣になっていました。
以前の記事で紹介した
「セルフモニタリング(ブログ記事リンク)」と併用して、
「この時間、ちょっと気分が沈んでたな」と感じたときに、その背景にある自動思考や認知のクセを丁寧に見つめてみる、という流れです。
ほかにも、
- 通勤の帰り道や週末にまとめて振り返る
- 手帳や日記のように気軽に記録してみる
といった方法もおすすめです。
自分の認知のクセに気づくワークまとめ
このワークは、完璧にやる必要はありません。
気づいたときに、数回書き出してみるだけでも十分効果があります。
慣れてくると、
「今、白黒思考になってるな」
「また“べき思考”にとらわれてるかも」
と、その場で認知のクセに気づいて修正できるようになってきます。
それによって、イライラや不安といった感情のコントロールもしやすくなり、
身体の反応も落ち着いてくるのを実感できるようになります。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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