休職することになったら必ず確認してほしいこと6選
わたしが休職~復職後しばらくまで、事前に知っていたらよかった、と思ったこと、復職後に気づいてちょっと焦ったことがいくつかありました。このことを事前に確認できていると、これから休職することになりそうな方、今休職中の方、復職予定の方が、知らないよりは知っていたほうが落ち着いた気持ちを保てると思います。
必ず確認してほしいこと6選
- 休職可能期間
- 有休残日数
- 来年度の有休付与条件
- 賞与支給条件
- 傷病手当金の受給額計算方法
- 社会保険料の納付方法
- +1 オプション:確定拠出年金の掛け金停止
1,休職可能期間
まず一つめは、「休職可能期間」です。
休職可能期間は会社によって異なります。また、そもそも休職できるかどうかも会社によって条件が異なるようです。
多くの場合、会社の「就業規則」で確認することができます。
わたしが勤務している会社では勤続年数によって、休職可能期間が定められており、最長でも6か月以内と記載されています(個人的には短すぎる!と感じます)。
わたしの勤続年数だと休職可能期間は3ヵ月以内となっていましたが、実際には約7か月間の休職期間を経て復職しました。同じリワークに通っていた人の中には年単位で休職が認められる会社もあるようだったので、会社によってさまざまなようです。私の場合は、復職の意志があるということや休職になった状況などいろいろ加味して会社側が譲歩してくれたので、結果的に7か月間休職することができました。3ヵ月しか休めない、となっていたら辞めていたでしょう。
一般的にはメンタル不調で休職となった場合、6~7か月程度で復職するケースが多いようですが(その期間で回復するというよりは休職できる期間がその程度という会社が多いのかもしれないです)、自分の休職可能期間がそれよりも短い場合は、復職する意志を会社に伝えておくことで休職可能期間が延長される可能性があると思います。もちろん、休職直後の心情としては「あんな会社誰が戻ってたまるか!辞めてやる!」という気持ちではありますが(笑)、そこはいったん冷静に、転職する可能性はあるかもしれませんが、ノーリスク(またはローリスク)で戻る先を確保していくことはとても大切です。その時の感情は大切にしつつもいったん脇に置いておき、自分の選択肢を一つでも多く確保するために復職の意志がある、と言葉だけでも(気持ちはなくても)伝えておくことが大事でしょう。
ちなみに、わたしは診察のときに先生から休職可能な期間を会社に確認してきてください。と言われました。それに合わせて治療スケジュールを組んでくれている様子でした。
実際には、私の場合は会社側が最初「いつまででも待ってるのでよくなったら戻ってきてください」と言ってくれたのに、3ヵ月ほど経ったときに「いつまででも休めるわけではないです」と手の平返ししてきたりということがあり、結構振り回されました。。先生や心理士さんにそのことを伝えると「会社として決まっている期間をきちんと示してくれればいいんですけどね」という反応でした。会社側としては、はっきりと休職可能期間を伝えてほしいですね。またそれがきっかり〇か月とかではなく、状況によっては延長できます、みたいなことがあるのであればそれも含めて言ってくれると担当医にも伝えやすいですし、先生も治療方針も決めやすいのだろうな、と思います。
2,有休残日数
二つめは、休職することになった時点で有休がどれだけ残っているかです。
わたしの会社の場合、休職期間中は無給でした。休職期間中、無給か有給かどうかは「就業規則」を見ると明記されていますので確認してみてください。
無給の場合には、有休残日数を確認し、有休が充てられる場合は有休を充てると収入がなくならないので安心です。私の場合は、たしか15日間ほど有休が残っていて、10日分を最初の欠勤分に充てて、5日分を復職した時のために残しておくことにしました。
療養のために労務不能となった日から4日目以降から「傷病手当金」の申請ができるので、もしかすると傷病手当金の対象から外れる最初の無給の三日間に有給休暇を使う人も多いのかもしれません(推測です)。
ただ、個人的にここで重要だと思っていることは、復職後に次の有休付与日までに何日間有休が残っているか、ということです。3番目の「有休付与条件」とも密接に絡んでくる部分になるので、続きは次でお話します!
3,来年度の有休付与条件
有給休暇付与日に何日有休が付与されるかは、一般的に、雇い入れ日から6か月以上在籍し、算定対象年度の勤務日数が全労働日にうち8割以上であることで付与されます。また、勤続年数によって付与日数が異なります。こちらも「就業規則」に載っています。
付与日数についてはすでに把握していることが多いと思いますが、「8割以上の出勤」が有休付与の条件となる、という点が重要です。
例えば、2025年の労働日をもとに考えてみましょう。 2025年の祝日数は16日です。
したがって、週休二日制の会社の場合、年間の全労働日数は以下のように計算できます: 365−104−16=245日
つまり、週休二日制で祝日も考慮すると、年間の全労働日はおよそ245日となります。
これの8割は、245×0.8=196日間なので、49営業日≒約2か月と9営業日を超えて休職すると次年度の有給休暇が付与されない、ということになります。
だからと言って有給休暇のために休職期間をコントロールするというのは本末転倒です。わたしが大事だと思ったのは、復職した年の次年度は有給休暇が付与されないということを事前に把握しておくことです!
親切で気の利く人事担当者がいる会社であれば(笑)、復職準備の段階での面談などで、次年度の有休がどうなるか、という点について情報をくれるかもしれません。が、そこまで対応してくれるかどうかは正直わからないので、休職後、少し気持ちに余裕があるタイミングで就業規則を確認し、自分の場合有休が次年度付与されるか否かを確認して、付与されない場合にはその旨、心の準備をしておくことが大切です。
わたしの場合は、この確認をしていなかった、且つ、人事からも特に予告もなく、有休付与日に出勤簿を見たら「今年度の有休付与=0日」と表示され、衝撃を受けた、という経験がありました。よくよく考えればそうなるのは当然なんですが、復職した当年度は残った5日間の有休をちょこちょこ使いながら、徐々に会社に慣れていくように自分自身で調整していて、なんとなく来年度分の有休がまた付与されるからと思い込んでいて安心して有休を使っていたんですよね。。。
人事からは事前にも事後にも有休付与については連絡はなかったのは残念でしたが、就業規則を自分で確認したら、ああ、そういうことか、となったので、明らかな事実をわざわざ人事担当者に確認してもクレームしているような感じになるのも面倒ですし、改めて「あなたは日数が足りてないから有休なんて無いんですよ」みたいなことを言われても傷口に塩を塗るようなものなので、これは自分自身の中で理解して、休みたくなったら欠勤するしかないと腹をくくりました。
これから休職される方にはわたしのように有休0日ショックを受けてほしくないので、3つ目の確認事項として有休付与条件の確認を選びました。
4,賞与支給条件
賞与支給条件についても「就業規則」で確認ができます。
評価期間にすべて在籍している、支給日に在籍している、など条件があります。
わたしの場合は、休職した年度は寸志の支給、復職した初年度は支給なしでした(泣)。
休職中は傷病手当金の支給がありますが、復職して会社生活が始まると、休職中のマイナス分と復職後の賞与分がない、というところも踏まえて日々の生活のやりくりが必要になってくるかと思います。
5,傷病手当金の受給額計算方法
病気やケガの療養のために仕事に就くことができない状態になると、傷病手当金を申請することができます。ただし、申請するためには医師の診断書などが必要です。
支給額の計算方法を検索すると、以下の計算式が出てきます。
1日あたりの支給額 = 標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3
標準報酬月額という聞きなれない単語が出てきますが、ざっくり一か月の給与の2/3程度が支給されると思っていて良いと思います。
会社によって手続きの頻度が異なるのかな、と思っているのですが、というのも、わたしの場合は会社の人事担当者から申請書が送られてきて、内容を記入して返信用封筒で会社へ返送する、そして人事担当者が会社から申請する、という流れで、3ヵ月に1度くらいのペースで申請書が送られてきていたので、傷病手当金の支給自体も遡って3か月分が入金される、といった感じになっていました。申請書には担当医の記入欄もあったので、申請書が会社から来たら診察の際に持って行って先生に記入をお願いしないといけないんですが、「毎月送ってもらうように会社に伝えたほうがいいかも」と先生に一度言われたことがあったので、普通の会社は毎月申請書用紙を送ってきてくれるのかもしれません。
3ヵ月に一度なので、わたしの休職期間中、傷病手当金は2回申請して2回振り込まれました。 振り込まれた時はとても安心しましたね。
6,社会保険料の納付方法
休職中であっても、健康保険料や厚生年金保険料の支払い義務は継続します。
休職中の納付方法としては、以下のような方法があります。
- 会社が立て替えて支払う: 会社が一旦保険料を立て替え、後日従業員から徴収する方法。
- 従業員が直接支払う: 従業員が会社の指定する口座に振り込む方法。
- 復職後に一括徴収: 復職後に未納分を一括で徴収する方法。
わたしの場合は、休職中の人事面談(オンライン)で、休職中は会社に立て替えてもらい、復職後に一括で会社へ納める、という方法を選びました。
復職後に毎月の給与から一定額を天引きする、という方法もあると言われましたが、毎月の給与が目減りするのは個人的にしんどいので、わかりやすく一回で終わらせてすっきりしたかったのでその方法にしました。
どの方法が良いとかおすすめ、というのはないと思っていて、自分の経済状況をよく考えて、無理のない対応方法を選ぶのが良いと思います。前述の賞与支給の条件や傷病手当金の支給状況(スケジュールや金額)との兼ね合いも考えて計画的に考えられると良いと思います。
7,オプション:確定拠出年金の掛け金停止
7つ目は、オプションで、企業型確定拠出年金に加入している方は、確定拠出年金の掛け金を停止することができます。個人的には停止することがおすすめです。
なぜかというと、傷病手当金の支給金額が計算される際、確定拠出年金の掛け金分が会社から支給されたものとして計算に含まれるため、傷病手当金が満額支給されなくなります。
わたしも最初の1か月は掛金を停止していなかったため、傷病手当金の支給明細が届いた時、掛金分が給与支給額として支給対象額から控除されていたため、このことに気づきました。わたしは復職後に人事担当者に掛金の再開を依頼して再開しました。
企業型確定拠出年金に加入している方で休職となった場合には傷病手当金の支給額へ影響があるため、注意が必要です。
以上、長くなりましたが、休職することになったときに必ず確認してほしいことを6個+1個ご紹介しました。
お金と有休は、休職~復職後の生活において心の安定に影響すると思っています。体調が悪い時は無理に気にすることはないですが(気にしすぎて体調が悪くなってしまうとつらいので)、少し余裕があるときに確認することをおすすめします。
少しでも参考になれば幸いです。
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