はじめに
休職中の悩みで多いのは、やはりお金のことではないでしょうか。
「傷病手当金やボーナスはいくらもらえるのか…」
わたしも同じように、漠然とした不安を抱えながら過ごしていました。
節約しなきゃと思っていても、もともと買い物が好きな性格。
休職中にプチプラコスメを買ってしまって、
『節約できない自分はダメ人間だ…』
そんなふうに落ち込んでしまったこともあります。
でも、ほんとうに私はダメな人間なのでしょうか?
実はそれ、“認知のクセ”による思考かもしれません。
ワークシートで整理すると、頭の中のぐるぐるした思考を客観視できて、
「自分を責めすぎなくてもいい」と気づけるようになります。
今回は、わたしがリワーク時代に実際に取り組んだ経験をもとに、
オリジナルで作った「認知のクセに気づくワークシート」の記入例を紹介していきます。
認知のクセとは?7つの代表例を解説
気分が沈んでいるとき、不安を感じているとき、
「ネガティブな考えばかり浮かぶ」と感じたことはありませんか?
それは、ストレスがかかったときに自動的に浮かぶ「自動思考」の影響かもしれません。
自動思考とは、意識する前にパッと頭に浮かぶ“心のつぶやき”のようなもの。
私たちの気分や行動に大きな影響を与える存在です。
以下は、代表的な”認知のクセ”の一覧です。
認知のクセ | 特徴 | 自動思考の例 |
---|---|---|
白黒思考(全か無か) | 物事を極端にとらえる | うまくできなかったから、意味がない |
こころの色眼鏡(選択的注目) | ネガティブな部分だけに注目する | あの人にだけ冷たくされた。私は嫌われてる |
思い込み・レッテル貼り | 決めつけのラベリング | 私はどうせダメな人間だ |
結論への飛躍 | 根拠なく否定的な結論を出す | たぶんあの人、私のこと嫌ってる |
べき思考 | 「〜すべき」と自分を縛る | こんなことで落ち込むべきじゃない |
個人化(自分への関連づけ) | なんでも自分のせいにする | みんなの空気が悪いのは、私のせいかも |
【実例】プチプラコスメを買って落ち込んだ私の思考パターン
「節約できない自分はダメ人間」になった思考ループ
リワークに通っていた頃、帰りに立ち寄ったバラエティショップで気になるプチプラコスメを見つけました。
「これくらいの価格ならごほうびに買ってもいいよね」——そう思って定期的にお買い物をしていたのですが、そのあとに必ずやってきたのが自問自答です。
「収入源は傷病手当金だけなのに節約しなくちゃいけない。本当に買い物してよかったの?」
そう考えては落ち込み、しまいには
休職中は収入が減る → 節約しなきゃ → でも買ってしまった → 自分はダメ人間だ!
こんな思考のループにハマっていました。
でも、本当に「ダメ人間」なのでしょうか?
もちろん節約できたほうが安心ですが、1000円程度のコスメを買ったくらいで「全否定」するのは極端かもしれません。
当てはまった認知のクセ:白黒思考・レッテル貼り
このときの私の思考を整理すると、認知のクセの中では
- 白黒思考(物事を0か100かで捉える)
- 思い込み・レッテル貼り(自分に「ダメ人間」という決めつけをする)
に当てはまっていました。
こうして具体的にラベルを貼ると、気持ちが少し客観的に見えてきます。
そこで次に、この状況を実際にワークシートに書き出して整理してみました。
認知のクセを整理するワークシート記入例
ここで実際に私が書き出したワークシートを紹介します。
頭の中の思考を整理すると、こんなふうになります。


ご覧のとおり、最初は「節約しなきゃ → 買ってしまった → ダメ人間」という思考ループに。
でも、こうやってワークシートに書き出すことで「白黒思考」「レッテル貼り」というクセだと客観視できました。
ペアワークで気づきを広げる|他人の視点の効果
リワークのグループワークでは、ペアになってワークシートを共有し、
お互いに「こういう認知のクセも隠れていそうですね」
「こんな視点もあるのでは?」と意見を交換しました。
一人で考えていると気づけないことを、他人の視点から指摘されると
「あ、そういう考え方もあるんだ!」 とハッとさせられることが多かったです。
リワークの良さはまさにこうした「気づきを広げる場」にあると感じました。
プチプラコスメの例では、ペアの方から
「生活に困るほどではないから、むしろコーピングになっているんじゃない?」
と言われ、目からウロコが落ちるような感覚でした。
- 節約は大事 → けれど「お買い物やメイクのわくわく感」も大事
- プチプラで満足感を得られているなら、現実的な範囲でやれている
- 不安だけでなく「わくわく」「満足感」も確かに感じていた
こう整理すると、極端に「ダメ人間」と自分を否定する必要はないと実感できました。
むしろ「お金を守ること」と「自分を満たすこと」の両方を意識しながら、
良いバランスでお買い物を楽しんでいけばいいんだと思えたのです。
わたしはもともと人に相談することが苦手でしたが、同じように一人で抱え込みやすい方がいたら、思い切って信頼できる人に意見を聞いてみることで新しい気付きが得られるかもしれません。一度試してみていただきたいです。
認知のクセに気づくためのステップ|試してみましょう
自分も認知のクセに気づくワークをやってみようかな、と思ってくださった方へ、簡単な実践ガイドをご紹介します。
まずは、自分の最近の困りごと(ささいなことでOK)を書き出してみましょう。
次に以下の手順でワークシートを埋めていきます。
Step1 | 状況を書く |
Step2 | 自動思考を書く |
Step3 | 認知のクセをラベル付け |
Step4 | 気づき(修正視点)を探す |

焦らずにゆっくり考えながらやってみましょう。リラックスして自由な発想で考えるのがポイントです💡
認知のクセ関連記事|もっと実践したい方はこちら
認知のクセやその他のCBTワークについては、過去にもいくつかご紹介しています。
まとめ
休職中はどうしてもお金や生活の不安が大きくなり、つい自分を責めてしまうことがあります。
でも、その考え方には「認知のクセ」が隠れているかもしれません。
ワークシートに書き出してみることで、自分の思考のパターンに気づき、必要以上に自分を否定しなくてもいいと客観視できるようになります。
さらに、他人の意見を取り入れることで、自分では気づけなかった新しい視点が広がることもあります。
不安やモヤモヤを抱えているときこそ、紙に書き出して整理してみることが大切です。
今回紹介したワークシートが、自分を責めすぎずに、少しでも心を軽くするきっかけになれば嬉しいです。
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