休職時の心境とうつ治療のイメージ
休職が決まったとき、
「やっと休めてホッとした」という人もいれば、
「休職したくなかったのに」という人、
「会社が許せない」と感じる人、
「周りに申し訳ない」と思う人など、
感じ方はさまざまだと思います。
ちなみに私自身は、
「休職できてよかった」という安心感が6割、「こんな目にあわせた会社への恨み」4割
という複雑な心境でした。
そして、治療が始まってからしばらくは、
「自分のうつ病の原因は何なのか」を無意識に考え続けていました。
ですが、治療とリワークを経て、今ではその考え方が大きく変わりました。
この記事では、
休職中に病気の原因探しばかりしていた私が気づいた、
うつ病の治療と治癒の本当の意味について、実体験を通しての気づきをお話しします。
うつ治療の始まりと原因探し

休職が決まり、精神科に通い始めたころ、
私の頭の中には
「わたしがうつになってしまった原因はきっとこれなんだろう」
という仮説がいくつもありました。
「部下のストレスが原因だったのかもしれない」
「会社の仕組みや雰囲気が悪いからだ」
「悩みを相談できる人がいなかったからだ」
診察やカウンセリング、リワークでは、最初のころ、そんなエピソードも伝えることで、
「先生がこの中から原因を特定してくれるのではないか」
とどこかで期待していました。
当時の私は、メンタル不調になった原因がはっきりすることが解決策だと勝手に思っていました。
うつの原因が特定されない現実
けれども、実際の治療では、
「あなたがうつ状態になった原因はこれです」と言われることはありませんでした。
主治医が伝えたのは、
「病気の診断」と「今の状態に対する治療方針」だけ。
また、毎週の診察での過去の出来事ではなく、
今週「眠れているか」「食事が取れているか」「活動はどの程度できているか」
というこの3つがいつもメインの質問でした。
リワークでも、原因について振り返ったり深掘りするような場面はありませんでした。
その現実に、何か物足りなさを感じることも正直ありました。
一方で、
薬の調整、リワークでの認知行動療法の学びや生活リズム作りなどを続けるうちに、
少しずつ精神的な落ち着きを取り戻し、
体力も少しずつ戻っていく実感もありました。
うつの治療で大切なのは原因より”ストレス対処力の向上”

うつ病はひとつの原因ではなく、いろいろな要素が重なって起こることが多いそうです。
うつ病の専門的なガイドラインでも、こう書かれています。
「さまざまな研究によって分かっていることは、「うつ病を引き起こす原因はひとつではない」ということです。~生活の中で起こるさまざまな要因が複雑に結びついて発症してしまうのです。」
(出典:厚生労働省 こころの耳)
休職後は過ごし方を工夫して、
まずは睡眠と食事と軽い運動習慣によって、
精神的な落ち着きと体力を徐々に取り戻すことが第一優先です。
過去を振り返って「これが原因だった!」と特定したところで、それはもう過ぎたことです。
それより、
これから新たに出会うストレスにどう対処するか。
その力をつけるほうが、ずっと役立つと感じています。
幸い、わたし自身はリワークに通う機会があり、
セルフケアや「ストレス状況に気づき、対処する力」を学ぶことができました。
最初はなかなか受け入れられない内容もありましたが、
実践するうちに少しずつ身についていきました。
実感としてわかったのは、
①まずは休養をしっかりと取って心身の回復に努めること(セルフケア)
②ストレス対処スキルを習得すること(認知行動療法・対人関係療法)
この2つがいちばん今の自分の助けになっており、これが治療の本質だったのだと思っています。
①と②の具体的な方法については、過去の記事でご紹介しています。
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原因探しより回復につながる過ごし方を
休職中は、
なにもできない自分を責めたり、
原因探しにとらわれてしまう時間が長くなりがちです。
でも、
うつの治療では原因を明らかにすることと、治ることは別の問題でした。
もちろん、
原因探しが悪いわけではありませんが、そこに縛られすぎず、
今できるセルフケアや過ごし方に目を向けるほうが回復につながると感じます。
かえって手放したほうが客観的にものごとが見えてきたりするものです。
自分とその記憶や経験が一体化しているときほど、
なかなかそこから抜け出すことができなかったりもします。
これから訪れるであろうストレスに対処するスキルを、
筋トレのようにコツコツと身につけていくのが、もっとも実践的だと思います。
休職中の過ごし方と治療の意味は人それぞれ
治療の意味、治癒の意味、そして休職中の過ごし方は、人それぞれ違っていて当然です。
今回ご紹介したのは、わたし個人の体験に基づいた一つの感想です。
「こんな考え方もあるんだな~」くらいに見ていただけたらと思います。
休職中から復職後まで、
セルフケアとストレス対処を学び実践し続けてきたことが、
今も会社で気楽に働けている理由だと、改めて感じています。
わたしのうつの治療やストレス対処についてやった体験が、
少しでも参考になればうれしいです。
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