【人との距離感】職場の人間関係が上手くいく人vsいかない人の違い

人間関係・コミュニケーション

職場や学校などの人間関係で疲弊しきっていませんか?

苦手な人とでも毎日顔を合わさなければならないのがしんどい…
人との適度な距離感ってむずかしい…

こんなふうに感じたことがある方のための記事です。

  • 人づきあいが苦手で生きづらさを感じている人
  • 人間関係でなぜかトラブルが起きがちな人

離職理由の多くが職場の人間関係と言われるほど、仕事にも支障をきたすのが人間関係のトラブルです。小さなストレスでも持続すれば心身に影響を及ぼしかねません。

苦手な相手にまで気を遣ってヘトヘトになってしまう、そんな人には一度は知ってもらいたいのが「人間関係の線引き」。

かつて職場の人間関係に疲弊していた私が救われたのは、心理療法の一つ『対人関係療法』を知ったことがきっかけでした。

この記事では、対人関係療法で人生が変わった経験から、心を守りながら人間関係を円滑にする人の具体的な違いを解説します。


対人関係療法で紐解く|「線引き」でわかる相手との距離の取り方

対人関係療法の「親しさサークル」を知ると、どんなふうに人間関係に線引きをしたらよいかがよくわかります。

Q
対人関係療法とは…
A

CBT(認知行動療法)と並んで、うつ病や不安障害の治療に有効であると効果が実証されている心理療法です。

対人関係療法では、対人関係を階層(以下参照:第1層~第4層)で整理します。特に「重要な他者」との「現在」の関係に焦点を当てることによって人間関係を見直し、気持ちや症状を軽くすることを目的としています。

人間関係の優先順位を考える親しさサークルの図|第1層(配偶者・親・親友)、第2層(友人・親戚)、第3層(仕事の人間関係)に分けて関係性の強弱を示す
図:人間関係の優先順位を考える「親しさサークル」

<対人関係の階層>

  • 第1層:重要な他者(配偶者、親、恋人、親友など)
  • 第2層:まあまあ親しい人(友人、親戚など)
  • 第3層:社会的な立場で接する人(職場の人間関係など)
  • 第4層:その他

さらに、重要なポイントなのが、「重要な他者(第一層)との関係を大切にすることが回復の基盤になる」という理論です。

これはどういうことかと言うと、

コミュニケーションのパターンは「重要な他者」との間で一番顕著に表れている。
第1層で起きていることが第2層、第3層でも起きている可能性が高いというところから、第1層のコミュニケーションをより丁寧に扱い、問題に向き合って対処することにより、第2層以下で起きている問題も自然と解決につながりやすいという仕組み。

またそれにより、第1層の人たちが、第2層以下の人たちとの対人関係を円滑に進める上でのサポートにもなる、という効果もあるとされている。

(参考文献:上司・友人・家族・ご近所… 身近な人の「攻撃」がスーッとなくなる本/水島広子著)

つまり、

一番身近な大切な人たちとの関係性がうまくいってると、それ以外の人間関係も改善する傾向があるよ、ということ。

そして、その一番身近な大切な人たちとの関係がうまくいっている場合、その人たちが精神的なサポートにもなってくれるよ、ということ。

ここまで見て何かに気づきませんか?

そうです!

重要な他者との関係性を良い状態で保つことに優先的にエネルギーを注ぐことで、すべてうまくいきそうじゃない?ということです。

では、人間関係の線引きが『上手い人』と『下手な人』で、具体的にどんな行動の違いがあるのでしょうか?


ちがい①エネルギーの注ぎ方が上手い人は家族を重視し、下手な人はすべて重視する

人へのエネルギーの「注ぎ方」 上手い人

人へのエネルギーの注ぎ方が上手な人は重要な他者にエネルギーを集中し、第3層以下は「かわす」ことを選択しています。

  • 家族や恋人、親友との時間・会話を大事にする
  • 職場の付き合いは無理のない程度に

職場の人間関係は一生続くものではないし、いざとなれば転職する選択肢もあります。

人へのエネルギーの「注ぎ方」 下手な人

人へのエネルギーの注ぎ方が下手な人は、誰にでも親切であるべきだと気を遣いまくり、家に帰るとヘトヘトに疲れ切っています。

  • 気が進まない飲み会も参加する
  • 家に帰っても不機嫌で愚痴ばかり

本来、精神的な支えになってくれるはずの人たちの前で不機嫌な態度を取っていると、重要な関係性が希薄になってしまいます。


ちがい②相手の感情の扱いに上手い人は相手の問題と考え、下手な人は自分の問題と考える

たとえばこんなシチュエーションで。

朝、同僚にあいさつをしたら相手があいさつを返してくれなかった。

そんなときどう考えるか。

相手の感情の扱い方 上手い人

相手の感情の扱い方が上手い人は、「気づかなかったんだろう」「体調が悪かったのかな」と考え、相手の感情を深読みしません。

  • 客観的に事実だけを捉える
  • 勝手にあれこれ想像しない

相手の感情の扱い方 下手な人

相手の感情の扱い方が下手な人は、「無視するなんて失礼な人だ!」「わたし何か気に障ることをしたかな」と飛躍して物事を考えがち。

  • 主観的な情報に頼っている
  • 相手の感情を勝手に想像してそれに振り回される

相手の状況は本人に聞かない限りわからないのに、勝手に解釈して落ち込んだり怒ったりします。


ちがい③関係性の「軸」の考え方が上手い人は心地よさを優先し、下手な人はべき論に縛られる

関係性の「軸」の考え方 上手い人

関係性の軸の考え方が上手い人は、「心地よさ」を軸に考えます。

  • 相手によって心地よさの保てる距離感を心得ている
  • 重要な他者との関係性を優先している

苦手な相手でも、ここまでなら心地よい距離感でいられる範囲で接することができるので、余計な気を遣わずに済みます。

関係性の「軸」の考え方 下手な人

誰からも好かれなくてはいけない、誰にでも平等に親切にするべきだ、という考えから、苦手な相手にも120%で挑んでしまいます。

  • 苦手な相手でも仲良くしなければいけないと無理をするが結果うまくいかない
  • いつも優等生でいなければならないと自己犠牲的になっている

これを続けていると、かえって裏で愚痴を言うようになったり、なんで自分ばかり…という気持ちに。


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ちがい④対応の「選択肢」が多い人はスルーし、少ない人は全部引き受ける

対応の「選択肢」 多い人

人間関係における対応の「選択肢」が多い人は、関係性の層に応じて、時にそっと「スルー」することで困難な状況を乗り越えています。

  • 自分の限界を知っている
  • グレーゾーンを許容し、そこそこ対応するで乗り切る

対応の「選択肢」 少ない人

対応の「選択肢」が少ない人は、やる or やらないの白黒二択で考え、全部引き受けます。

  • 苦手な相手にも100%で接して疲弊する
  • 苦手な相手は無視する(でも心の中では葛藤している)

~選択肢が少ない人の心の中~

苦手な相手にも良いコミュニケーションをするべき!
→無理して接する
→うまくいかなくて、なんで自分だけ…と落ち込む
→もうあいつとは一生口をきかない!
→相手の反応をきにしてしまう…

こんな負の連鎖で心がみるみる疲れ切ってしまいます。


ちがい⑤問題への対処が上手い人は自分を変え、下手な人は相手を変えようとする

問題への対処 上手い人

問題への対処が上手な人は、相手を変えることにエネルギーを注ぎません。

  • 相手との付き合い方を変える
  • 付き合う相手を変える

相手の問題は変えられませんが、自分が問題とどう関わるかは自分で決めることができます。自分と未来は変えられることを知っています。

問題への対処 下手な人

問題への対処が下手な人は、相手をコントロールしようとします。

  • 自分が親切にしたら、相手は感謝するにちがいない
  • 自分は傷ついたのだから相手は謝罪すべきだ

「あの人の行動を直してもらわねば」と相手を変えようとしますが成果が出ず、結果的にストレスと疲労だけが残ります。

自分の価値観を相手に押し付けたところで、相手には相手の価値観がある。相手を簡単に変えることはできません。


まとめ:人間関係の悩みは、コミュ力ではなく「線引きの戦略」の問題

対人関係療法が教えてくれるのは、人間関係を「自己流」で続けるのではなく、優先順位と戦略をもって付き合うことの重要性です。線引きが上手い人は、大切な自分と第1層(重要な他者)との関係を守るために、意図的に行動を選択しています。

最後に、線引きが上手い人と下手な人の行動の違いを、もう一度確認しましょう。

  • エネルギーの「注ぎ方」
    • 上手い人: 重要な他者(第1層)にエネルギーを集中し、第3層以下は「かわす」ことを選択する
    • 下手な人: 誰にでも親切であるべきだと気を遣い、一番大切な人の前で疲弊し不機嫌になる
  • 相手の感情の「扱い方」
    • 上手い人: 相手の不機嫌を「相手自身の問題」と捉え、深読みしない
    • 下手な人: 相手の感情を「自分の問題」と考え、勝手に解釈して振り回され、消耗する
  • 関係性の「軸」
    • 上手い人: 「心地よさ」を軸に考え、相手によって適切な距離感を心得ている
    • 下手な人: 「誰にでも親切にするべき」というべき論に縛られ、苦手な相手にも無理をして挑み、裏で愚痴をこぼす
  • 対応の「選択肢」
    • 上手い人: 自分の限界を知り、関係性の層に応じて「スルー」というグレーゾーンを許容する
    • 下手な人: やるorやらないの白黒二択で考え、苦手な相手に100%で接して疲弊する
  • 問題への「対処法」
    • 上手い人: 相手を変えることにエネルギーを注がず、自分の付き合い方を変えることを選択する
    • 下手な人: 「謝罪すべきだ」など、自分の価値観で相手をコントロールしようとし、成果が出ない

適切な距離と優先順位を知ることで、人間関係の苦しさから解放され、心を守れる人が増えますように。


対人関係療法 参考図書のご紹介

上司・友人・家族・ご近所… 身近な人の「攻撃」がスーッとなくなる本(大和出版)【電子書籍】[ 水島広子 ]

「対人関係療法」の精神科医が教える 「苦手な人」とのつき合いがラクになる本(大和出版)【電子書籍】[ 水島広子 ]


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